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教材

観察することのまとめ

本学科の指導の基盤にあるのが「観察力の育成」。
平成21年度に行われた研究会に本学科が発表した「デザイン教育の可能性について―たとえば観察力をとり上げて―」を現在も継続して取り組んでいます。1年生の基礎学習では、すべての実技に、この「観察力の重要性」をとり上げ、作品制作に取り組ませています。1年生の「造形表現」で現在取り組んでいる「植物画」はそれらのまとめでもある教材です。徹底的に観察し、微細な部分にこだわりながら制作することで得られる力が身につくことを期待しています。(K)

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ビジネスライクな課題

 本学科の2年生の授業の中に「ビジネスデザイン」という選択科目があります。この科目は教材の全てを外部機関からの依頼で構成されていて、主に和歌山市の行政機関からの依頼に基づいて様々な取り組みをしています。(以前紹介した花火大会やマラソン大会の告知ポスター、電気自動車のラッピングデザインなどがそれにあたります)このような取り組みの中に、とても本格的な依頼が舞い込んできました。それは広報冊子まるごと制作するという企画です。それまではイラストだけを描く単純な作品作りでしたが、この企画は冊子全体をトータルで考える必要があり、書籍、新聞などの編集作業をコンピュータ上で行い、プリンターで出力を行う「DTP(デスクトップパブリッシング)」の実践となりました。生徒たちにとっては紙面の割付や挿入するイラスト、テキストの構成など、山ほどある作業を1グループ5名で4ヶ月かけて取り組みました。プロの制作する冊子の足元にもおよびませんが、貴重な経験をさせていただきました。その一部をご紹介させていただきます。(K)

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依頼内容は小学校5年生ぐらいの児童が読んで興味を引く紙面づくり。4グループが取り組み、四種類の冊子が仕上がりました。詳しくは下記の「和歌山市の統計資料(イラスト版)」をご覧ください。
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/menu_4/data/kankoubutsu/index.html

美術史(3年生)影を写す

美術史の授業では座学(教室で席につき、書籍を読んだり、先生の話しを聞くだけというスタイルの授業のこと)だけではなく、授業で知った作家の技法を実際に体験することにも取り組んでいます。今回ご紹介するのは、世界で最初のデザイン・美術専門の学校「バウハウス」を学習した際に登場した写真技法。この技法は、この学校の教授陣にも名を連ねたモホリ=ナジが好んで使った写真技法で、「フォトグラム」、とか「レイヨグラフ」と呼ばれています。本来は暗室で行う作業ですが、設計図に使うドライ青焼き用紙「コピアートペーパー」と、アイロンやラミネート加工する器具を使い、「なんちゃってレイヨグラフ」を制作しました。(K)

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これを素材にして、これまた1920年代に写真表現のひとつとして登場したフォトモンタージュにも挑戦。デジタル加工が容易になった現代、パソコン上でフルカラーの不思議な世界が表現できます。
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制作者 3年・辻 愛十夢 君

※フォトモンタージュ=写真を切り貼りして画面上で再構成したり、多重露光するなどの方法により合成し制作された写真作品のこと。
※コピアート紙=感光剤が塗られた用紙で、用紙の上に物を置き、光を当てると物以外の部分は感光する。その用紙に熱を加えると、感光した部分は白くなり、影の部分が青くなる。

3年生の素描

絵を描いていると「うまくいかないなー」と思うことがあります。その多くは「描きたいものが上手に描けない」ことです。いわゆる「デッサン力」というものです。描こうとしている対象物を忠実に再現できれば、これほど気持ちのいいものはありません。その訓練の最も一般的な方法は「素描」で、芸大や芸術系専門学校の入試科目としても取り入れられています。本学科では1、2年生では必修科目で、3年生では選択科目でこの授業を行っています。特に3年生の授業では一学期は入試対策として芸大の実技をモデルに取り組んでいますが、二学期最初の課題はルネサンスの巨匠の素描を模写に取り組んでいます。今年はレオナルド・ダ・ヴィンチの素描に挑戦しています。
完成は10月半ば、どこまでダヴィンチに近づくことができるか、楽しみです。

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形について、こんなこと発見しました

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7月31日に行われた和歌山県立美術館での鑑賞授業で、生徒たちが感じたことをピックアップしてみました。本日は「形について」。絵を描くのが得意か不得意か、好きか嫌いかの境目を決めるぐらい大切な要素「形」。生徒たちはこのことについて、どのようなヒントを得たのでしょう・・・

形について
A:想像で描くものは、実際にないような平面でしか作り出せないものを考え、実際にあるものを描くときは、いかにそのものに近く描くかを考えて描いている。
B:意味を考えなく描くのではなく、形とは意味を伝えるために描かれている(?)意味を伝える、意味のある形を描いている。これを初めて知って、好きな形を描くのではなく、伝えるための形を考えて描こうと思いました。(2年 K・A)

A:描きやすいとは思えない。難しいものほど頭がこんがらがってしまう。思っているように描けない。
B:ひとつのモチーフを描くにしても様々な表現や技法があり、今までより自由な発想で良いのだと感じた。ちょっと常識から外れていいんだ。(1年 H・M)

B:人によって、ひとつのものの捉え方が違うんだなー、と思った。クレーの言葉で「芸術とは目に見えるものを再現することではなく、芸術が見えるようにするのだ」というのが載っていて、考え方が面白いなー、と思った。(1年 Y・R)

A:立体的に描くように遠近法を使って描いたりします。本物と同じ形を紙に描くとき、紙の大きさに合わせて描くのが難しいです。
B:形には様々なものがあるけれど、基本的な形、円や正方形などだけを使っても表現できることがわかりました。(2年 I・K)

B:抽象的な形を組み合わせただけでも、具体的な形ができること。形が正確でなくても、それはれっきとした形であること。(1年 Y・S)